かつて「不良日記」シリーズや「不良ノート」シリーズを貪り読んだ。不思議な文章が持ち味で、行きつ戻りつ語られる珠玉の昔話の数々に何度でもときめいた。裕次郎との出会いや、慎太郎との軋轢。拳銃不法所持と大捕物。出所後のバブルで億万長者になり、バブル崩壊でキレイさっぱり一文無し。そして、猪木との出会いと裏切り・・・
どのエピソードにも光と影がいつも同居していて、そのコントラストが百瀬博教という男の妖しい魅力に繋がっていた。自分の人生を一編の美しい詩にすることを望んで生きた男のあまりにあっけない最期。冥福を祈りたい。
そういえばこのパリテキサスという名前も、百瀬が絶賛していたことから手を伸ばしたヴィム・ヴェンダースの「パリ、テキサス」(大傑作)から拝借したんだった。週末にでも、もう一度見ようかな。